スタソーマ 誠実な王子（インドネシア・絵本・インドネシア語/英語）

IBBYオナーリスト2022_イラストレーション作品

『スタソーマ 誠実な王子』

「スタソーマ」は、サンスクリット語とパーリ語で書かれた「ジャータカ」に収められた、釈迦の前世のひとつを語る物語。インドネシアのボロブドゥール寺院にも、この物語の浮き彫りがある。スタソーマは王子で、徳の模範だ。恐ろしい人食いに捕えられて死に直面するが、約束を守った結果、ついに悪鬼が改心する。本書の文章は２か国語の併記。バリ島、ジャワ島、インドの文化の影響が混じる独特のイラストレーションはデジタルで描かれている。

●画家について／ジャカルタ在住のイラストレーター。絵を手がけた児童書がインドネシアで5 点刊行。作品に、ベストセラーの「子どものための、がんばりたくなる物語70+」のほか、「クリスタル・オレンジ」、「おどる雨」、「ルミニ」がある。日本のイラストレーターや古いアニメの美意識に強く影響された作風で、社会の不平等への不満から発した物語を創作。レオン・バクスト（ロシア）、アドリエンヌ・セギュール（フランス）、ヴァージニア・ステレット（米国）などの画風にも影響を受けている。