ぼくたちは天使じゃない（スペイン・読みもの）

IBBYバリアフリー図書2021_ポートレイト

『ぼくたちは天使じゃない』

ダウン症の子どもは天使でもなければ、特別な存在でもありません。このカラフルで陽気な絵本の主人公、ダウン症の少年マルコがそれを証明しています。マルコはいたずらっ子です。マルコと21トリソミー（注）という〈友だち〉は、パパである著者グスティとママにいたずらをしかけるのが楽しくてなりません。手描き文字のテキストと、くっきりとしたクレヨンで描かれたイラストは、マルコの心の声や、パパとママの深い愛情、葛藤を生き生きと伝えます。
　この物語は「ダウン症の人びとは非常に感じがよく従順」という単純化されたイメージを、ユーモアを交えながら覆し、新たな理解を促します。極端にポジティブなステレオタイプは、ネガティブなそれと同様に望ましくないのです。巻末には、ダウン症についての解説が付いています。

（注）21トリソミー：ダウン症の人は通常より過剰な21 番染色体を有す。