デルフィーナの質問（アルゼンチン・絵本）

IBBYバリアフリー図書2021_ポートレイト

『デルフィーナの質問』

どうしてみんな、わたしのことをへんな目で見るの？　どうして知らない人がわたしににっこりするの？　赤ちゃんみたいにあつかわれると腹が立つし、からかわれると悲しくなる……。ダウン症のデルフィーナは、どうしてみんなが自分をほかのクラスメイトやきょうだいのようにあつかってくれないのか、不思議でなりません。
　デルフィーナが幼い頃、この本の著者（デルフィーナの母親）にたずねた素朴な問いが、一人称の語りで描かれています。明るく生き生きとしたイラストは、デルフィーナが学校で学びたいと思っているすべてのこと、彼女の好奇心や怒り、フラストレーションを見事に表しています。ダウン症の子どもを、障害という視点やステレオタイプにとらわれず、ひとりの人間として、落ち着いておだやかに描いていることは、保護者や先生たちが、ステレオタイプや害について子どもたちと話し合うときの指針となるでしょう。