冬のフィアンセ（ハンガリー・読みもの・ハンガリー語）

IBBYオナーリスト2020_翻訳作品（フランス語からハンガリー語）

『冬のフィアンセ』（「鏡の旅人」シリーズ１）

フランス人作家クリステル・ダボによる、ファンタジー４部作「鏡の旅人」の１作目。非凡なヒロインのオフェリーと、アーク（不死の祖先の魂に支配された天空の島々）と呼ばれる豊かな空想世界が魅力の作品だ。オフェリーは、不器用で人付き合いが苦手だが、物の過去を読む力と、鏡を使って移動する力を持っている。オフェリーの平和な暮らしは、トルンとの婚約をきっかけに壊れる。トルンは、遠く離れた冷たいアークに住む豪族のひとりで、口数の少ない男だ。オフェリーは、トルンとともに塔の町シタシエルへ向かうことに。謎多き未来の夫と過ごすうち、オフェリーは自分が政治ゲームのコマにされていること、そしてそれが、彼女だけでなく彼女の世界に大きな悪影響を及ぼしかねないことに気づく。

＊翻訳家について　1974年生まれ。フランス文学と演劇学の博士号を持つ。11年間ハンガリーの大学のフランス語学部で教鞭を執るかたわら、ブダペストの劇場でプログラム・マネージャーを務めた。現在は、編集者、演劇評論家、フランス語からハンガリー語への翻訳家として活躍している。