カイマンのクロ（ベネズエラ・絵本・スペイン語）

IBBYオナーリスト2020_イラストレーション作品

『カイマンのクロ—―人とくらしたワニ』

ファオロは、ワニの子を家に連れ帰って育てている。ファオロが結婚すると、ワニは夫婦の子どものようになり、ファオロの死後は、妻のアンヘラがワニの世話をする。なにがあっても最後までペットを大切にし、愛することを描いた、実話に基づいた物語。1950年代・60年代の影響を受けた、ワニの体のように横長の画面の見開きいっぱいに展開する絵は、明るいがやや物悲しいこの物語の雰囲気をよく伝えている。

＊画家について　スペインのバルセロナ在住の、ベネズエラ出身のイラストレーター。ソーシャル・コミュニケーションを学び、イラストレーションとアニメーションは独学。自身のプロダクションを持ち、2012年IBBYオナーリストに選出された「そうだね、おじいちゃん」（2011）や、「うちの犬」（2012）、「まどろみの国」（2017）等、エカレ社の絵本を手がける。ベネズエラのバンコ・デル・リブロの優良図書に3回選定され、本書は2019年ホワイト・レイブンズに選ばれた。