オオカミのともだち（エストニア・絵本・エストニア語）

IBBYオナーリスト2020_イラストレーション作品

『オオカミのともだち』

森にクリスマスがやってきた。オオカミはサンタクロースから新しいスケート靴をもらい、さっそく湖にもっていく。滑らかな氷の上を滑走するのは楽しかった。ところが、転んで足首をひねってしまう。大声で友だちの助けを求めるが、クマもキツネも忙しくて助けにこられない。そこにノウサギがやってきて、痛いとさけぶオオカミを見つける。ノウサギは友だちのハリネズミとともにオオカミに手を貸し家まで送る。オオカミは感謝して、新しくできた友だちを食事に誘う。イラストレーションは全体的にシンプルだが、要所に鮮やかな色を配し、細部まで丹念に描きこまれている。登場する動物たちは親しみやすく描かれているが、過度に感情をもたせてはいない。

＊画家について　1966年生まれのイラストレーター、グラフィックデザイナー。1995年、エストニア陶芸学校卒業。出版社勤務を経て現在は子どもの本のイラストレーターとして活躍する。2006年、2017年のタリン・イラストレーション・トリエンナーレで高い評価を得た。2014年、2015年のアストリッド・リンドグレーン記念文学賞候補となる。