わたしのまどから（ヨルダン・絵本・アラビア語）

IBBYオナーリスト2020_文学作品／イラストレーション作品

『わたしのまどから』

幼い子どもにもわかるシンプルなアプローチで、物事を多角的にとらえるよう導く絵本。ふたつの物語を通して、目に映るものが必ずしも起きたことではないと伝えている。ひとつ目はわかりやすい解説付きのお話で、小さな女の子が窓から見えるものを無邪気に列挙していく。2つ目は文字のない絵だけのお話。女の子が窓を開けると、知らないうちに女の子のネコが部屋から飛び出し、ミツバチを追いかけて大混乱を巻き起こす。だが、女の子はその結果だけを見ており、それがネコによって引き起こされたことを知らずにいる。一方読者には、絵を通して物語の側面が見えるので、女の子とは違った判断をくだすことができる。

＊作者について　1996年から子ども向けの執筆を始める。美術教育にもたずさわり、支援団体と協力して、難民や恵まれない子どもたちのための教育書も手がける。おもな作品に、2018年イッティサーラート賞の最終候補となった「ファリーダ、叫ぶのが大好きなニワトリ」（2015）の他、「バスルームのクモ」「本の旅」（2015）、「若い時に必要なんだ」（2016）などがある。