アムリタ・シェール=ギル（インド・読みもの・英語）

IBBYオナーリスト2020_文学作品

『アムリタ・シェール=ギル—―絵筆を持った反逆者』

アムリタ・シェール＝ギルは画家で、理想主義者で、反逆者だった。1913年に生まれ、ふたつの世界大戦のはざま、インド独立運動の最中に育った。少女時代を異なるふたつの世界、ハンガリーのブダペスト近郊の村と、イギリス統治下のインドの涼しく青々とした都市シムラとで過ごした。校長先生や美術批評家や王族をものともせず、美術の世界で自分の道を切りひらいた。本作は、若い画家とその家族が、戦争や政治的混乱のなか、愛と家と美術教育を求める旅路を追う。ギル本人の絵や写真、参考画像に、現代のインドの画家ガナパシーによるイラストレーションが相まって、生き生きとした奥行きのある作品となっている。

＊作家について　英文学と言語学の修士号を取得。ムンバイ在住。15年前から児童書を執筆。作品には、本作や「おどろきのインド 州ごとの案内書」（2009）のようなノンフィクションの他、「ノニーのまほうのキルト」（2009）、「アンビリ」（2011）、「ナヤナとあんまりこわくないフクロウ」（2012）などの絵本がある。