ここまではうまくいっているのに（ベルギー・読みもの・フランス語）

IBBYオナーリスト2020_文学作品

『ここまではうまくいっているのに』

店の食べものを万引きしたジョゼフはその場で捕まり、手錠をかけられて、警察が来るのを待っている。だが彼は美しいアメルとの約束のことを考えて、逃走する。悪い連中に殴られ、娼婦に助けられ、元警察官に自首を勧められるジョゼフの、その後の24時間を物語は追う。結果も考えずに盗みを働く少年を主人公にしているが、同時に、自分の良い面の見せ方を知らない、強がりで繊細な少年を描いた話でもある。

＊作家について　1981年生まれ。文献学を学び、舞台芸術の分野での学位を持つ。2006年より教職につき、そのかたわら物語を書く。2012年にデビュー作を発表。以降、YA作品を中心に執筆を続け、2013年に出した「私の新生活の思い出」でベルギーのLibbylit賞を受賞。彼女の代表作「2秒少ない」（ナンシー・ギルベールとの共著）には、2019年、同賞をはじめ、複数の賞が贈られた。