トラといっしょに（絵本・原作イギリス）

『トラといっしょに』

美術館でアンリ・ルソーのトラの絵を見たトムは、帰宅してトラの絵を描く。夜、闇が広がってトラが出現すると、こわがりなトムは恐れを感じながらもトラの背中に乗り、ルソーの絵のような奥深い森に分け入っていく。トラとともに川にもぐり、夜空を駆けぬけ、家に戻ると、こわい気持ちはすっかり消えていた。絵画という芸術の力によって、トムが恐怖と向かい合い、乗りこえられたことが伝わる。あやしい夜の風景と、迫力満点の大きなトラと好奇心旺盛な目をしたアジア系の少年の絵が印象深い。（土居）