ひみつのビクビク（絵本・原作イギリス）

『ひみつのビクビク』

難民として新しい国で生活することになった女の子の不安や恐れを、「ビクビク」という不思議な生きものとして描く。言葉もわからないまま学校に通い始めると、女の子の「ビクビク」はどんどん大きく膨らんでいく。声をかけてくれた男の子の存在によって、他者に視線が向くと、誰もが同じようにそのような不安を抱えていることに気づく。その不安を友だちと分かち合えば、「ビクビク」は小さくなることを学んでいく。地中海を渡る難民の親子を描いた『ジャーニー 国境をこえて』（きじとら出版）でデビューした作家の2作目。（神保）