ハロー、ここにいるよ（アメリカ・読みもの）

2019_理解を深める本

『ハロー、ここにいるよ』

　4 人の６年生が、それぞれの視点で交互に語る冒険物語。カオリは自称霊能者。チェットはいじめっ子。ヴァージルはおとなしすぎて「カメ」と呼ばれています。そして賢いヴァレンシアは耳が聞こえません。ある日、チェットによって森の古井戸に閉じ込められたヴァージルを、カオリとヴァレンシアが力を合わせて救出しました。彼らの友情は、こうして育まれていきます。
　読者は、補聴器を使い、手話はわからないけれど唇を読むことができるヴァレンシアを通して、耳の聞こえない人の視点を身近に感じることができるでしょう。ヴァレンシアは最後に、お互いに思いやりの心を持つ仲間とのつながりを手にいれます。そして、本当の友だちとは、自分と違う部分も受けとめ合うものだと、大切なことを教えられたのです。