涙のしずく。笑顔（オーストリア・読みもの）

2018_文学作品（ドイツ語/アラビア語）

『涙のしずく。笑顔――ダマスカスでの日々』

世界で最も古い都市のひとつ、シリアのダマスカスで過ごした作者の子どもの頃の物語が、44編収められている。独裁政権下に生きる人びとの悲しみと喜び、相反するふたつの「感情」が、タイトルに反映されている。自由を束縛されながらも、家族の輪の中で守られた暖かな日々が、家族のアルバムから取った写真と、アラビア語とドイツ語による短い文章で綴られていく。いずれも個人的な内容だが、誰もが共感できる作品だ。

作家について　1990年生まれ。ダマスカスで育つ。現在はウィーン在住。作家、グラフィックデザイナー、教育関連のプロジェクトの発起人としても活動している。リアヒ兄弟が製作し、多くの賞を受賞したドキュメンタリー映画「毎日が抵抗」に、通訳として協力。本作は2016年ホワイト・レイブンズに選ばれた。