耳が聞こえない ウサギのヒーロー(アメリカ・絵本)
El Deafo
カテゴリー: IBBYバリアフリー図書、絵本/picture books
2017_理解を深める本
『耳が聞こえない ウサギのヒーロー』
作者自身の子ども時代の経験をもとにした、自伝的なグラフィック・ノベルです。作者のセス・ベルは、グラフィック・ノベルという手法と、ファンタジーの要素を最大限に生かしています。髄膜炎の後遺症で、主人公のセスは聴力を失います。エルデフォの社会では、ウサギと同じような大きい耳が人間にあり、音が聞こえることと同様に、聞こえないこと、そして補聴器を使うことが強調されています。本書では、吹き出しが効果的に使用されています。セスが聴力を失いはじめると、吹き出しの言葉も消えていきます。聴力を完全に失ったとき、吹き出しから文字がなくなります。難聴の子どもはセスに共感するでしょう。というのも、作者は耳が聞こえないセスが、奇妙な人に見えないように努力を払い、特別な補聴器のおかげで、むしろ英雄的存在のエルデフォとして描かれているからです。この本はグラフィックという読みやすい形式になっており、やさしいユーモアがあります。さらに、作者が子どもの頃に抱いた居心地の悪さや悔しい思いをした経験も描かれているため、あらゆる立場にいる読者が関心を持つ作品となっています。
出版社 | Amulet Books, Imprint of Abrams |
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初版年 | 2014年 |
ISBN | 978-1-4197-1217-3 |
ページ数 | 233頁 |
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El Deafo
- 2014
- 233 pages
- ISBN 978-1-4197-1217-3