想像の（アルゼンチン・絵本）

2017_共にたのしめる本

『想像の』

　一見するとこのお話は、足にぴったり合う履きなれた靴のように、離すことのできないふたりの単なる友情物語に見えるかもしれません。しかし、もっとじっくり読めば、このふたりの関係には、想像力が大きな役割を果たしていることに気がつくでしょう。この絵本は、自分がみんなと違っていて独りぼっちだと感じている人たちに、仲間を見つけ、友だちとの関係に目を向ければ、楽しいことがあるということを、はっきりと、また、とりとめのない方法で教えてくれます。仲良しのふたりを描いた素朴なスタイルのイラストは、子どもが描いた絵のようで、はっきりとした色でしっかりと塗られ、輪郭が黒でふちどられています。違いを乗り越えるという前向きなメッセージを伝え、強く結ばれた友情を描いたこの絵本は、幼い子どもたちに、長く読みつがれていくことでしょう。