IBBYチルドレン・イン・クライシス「レバノン:クリエイティブキット・プロジエクトのための緊急募金」

 84の国と地域が加盟するIBBY(国際児童図書評議会)は、3月16日、激化する中東での紛争のなかにいる子どもたちを支援するため、世界中へ募金を呼びかけました。

 IBBYは、2004年のスマトラ島沖地震被害を機に CHILDREN IN CRISIS(チルドレン・イン・クライシス=危機的状況にある子どもたち)を立ち上げ、災害、戦争、紛争など危機的状況にある子どもたちに本を通じた支援を行うための、国を越えた募金活動を行ってきました。集まった寄付金は、現地のIBBY支部や信頼できる関連団体に送られ、本の力で子どもたちに安らぎを届ける活動を支えます。2011年の東日本大震災では日本も支援を受けました。

IBBYチルドレン・イン・クライシス
レバノン:緊急クリエイティブキット・プロジェクト

IBBYプレスリリース、2026年3月16日

中東の状況

 中東で紛争が激化してから2週間が経ち、何百万人もの子どもたちにとって状況は壊滅的なものとなっています。ユニセフによると、2026年3月11日時点で、2月28日以降の暴力により1,100人以上の子どもが負傷または死亡しています。この数字は今も増え続けています。

 ユニセフは次のように警鐘を鳴らしています。「病院、学校、水道・衛生設備など、子どもたちの生存に不可欠なインフラが攻撃され、破壊されています。子どもを殺したり、障害の残るような怪我を負わせたりすることを正当化する理由は何もありません。」

 命が奪われる悲劇に加え、何百万人もの子どもが学校に通えない状況に置かれ、何十万人もの人々が避難を余儀なくされています。教育を阻害することは、IBBYが守ろうとしている基本理念に反するものです。

 イランの小学校が攻撃され100人以上が犠牲となった事件を受け、ユネスコは次のように強調しました。「学びの場である学校で児童が殺害されることは、国際人道法により学校に与えられている保護を重大に侵害する行為である。」

 避難の規模は極めて深刻です。国際移住機関(IOM)は「数百万人がすでに国外へ避難している」と警告しており、中東では1900万人以上が国内避難民として生活しています。

 この危機の中で、私たちの思いは、イラン、ヨルダン、レバノン、パレスチナ、アラブ首長国連邦など、紛争地域で活動するIBBY各支部の仲間たちとともにあります。とりわけイランの仲間たちの安否を深く懸念していますが、現在は通信が遮断されており、状況の確認や支援の手配ができない状態です。通信が回復し次第、IBBYはイランでの緊急プロジェクトを開始する準備を整えています。

IBBYチルドレン・イン・クライシス
「レバノン:クリエイティブキット・プロジェクトのための緊急募金」

©️ UNICEFUNI753042Ibarra Sánchez

 イランでの始動を待つ間にも、私たちはできることから行動しなければなりません。

 IBBYレバノン支部(LBBY)は、学校や建設中の建物、コミュニティセンターなどに避難している数千人の子どもたちを支援するため、緊急の取り組みを開始しました。

 LBBY会長のシャリーン・クレイディエは次のように語ります。「レバノンの状況は非常に厳しく、何万人もの子どもが家や持ち物を失いました。多くの家族が学校や公共施設に避難し、物資も乏しい中で生活しています。路上で暮らす人たちもいます。爆撃は毎日続き、子どもたちとその家族に絶え間ない恐怖と不安をもたらしています。」「このような危機的状況では、食料や生活必需品に目が向けられがちですが、本や学び、そして心理的な支えが重要であることを見落としてはなりません。子どもたちが自らの体験を受け止め、日常感覚を取り戻すことが大切です。」

 IBBYチルドレン・イン・クライシスは、レバノンの子どもたちのために「緊急クリエイティブキット」への資金支援を呼びかけます。このキットは、子どもたちを心理的にサポートし、子どもたちが安心して感情を表現できる機会と、日常を取り戻すきっかけを届けることを目的としています。

 クレイディエは次のように続けます。「このキットは、子どもたちが何かに集中し、つらい状況の中でも前向きに気持ちを発散できるよう作られています。本や創作を通して、慰めと気分転換、そして希望を届けたいのです。皆さまの支援が大きな力になります。」

キットの中身
再利用可能なトートバッグに、次のものが入っています。
 ・年齢に合った物語の本 1冊(読書と想像力を促すため)
 ・お絵かき帳 1冊(年長児にはストレス軽減のための塗り絵)
 ・色鉛筆またはクレヨンのセット
対象年齢は、2~5歳、6~9歳、10~15歳の3つを用意します。1人あたりの費用は10ドルで、教材・包装・避難所への配布費用を含みます。寄付は、危機の中にいる子ども一人ひとりの生活に、直接的で目に見える効果をもたらすでしょう。

IBBYのサイトから寄付できます。
(1)DONATED BY CREDIT CARD(クレジットカード決済)
(2)DONATED BY BANK TRANSFER(銀行間国際送金:寄付額を申請するとIBBYから請求書が届きます。それをもとに銀行から国際送金してください。手数料が高額なのでご注意ください)
(3)DONATED BY PAYPAL(PayPal:アカウントをお持ちでない方は登録が必要です)
いずれかが選択できます。寄付の目的に #Lebanon とご記入ください。


私たちの使命を守るための呼びかけ

 IBBYが守るべき使命である 国連「子どもの権利条約」は、すべての子どもに次の権利を保障しています。

  • 暴力から守られる権利
  • 教育を受ける権利
  • 休息・余暇・遊びの権利

 戦時にはこれらの権利が最初に侵害され、同時に最も守られるべきものでもあります。困難な状況にある地域の仲間たちに、揺るぎない連帯の手を差しのべましょう。IBBYは、子ども、市民、教育施設を標的とするあらゆる暴力を強く非難します。私たちは悲しみとともに団結し、すべての子どもが生きる権利、安全に暮らす権利、読む権利、学ぶ権利を守る決意を新たにしています。

 最後に、クレイディエはこう述べています。「世界が混乱に包まれているときこそ、私たちは子どもたちの側に立ち、より良い未来への希望をもって子どもたちを支えたいのです。」

 私たちは、IBBYコミュニティの仲間に、レバノンのための緊急募金へのご協力を呼び掛けます。危機にある子どもたちへ、本を通じて慰めと希望を届けるIBBYの活動を支えてくださることに心から感謝いたします。

連帯の想いをこめて
IBBY(国際児童図書評議会)