イヌワシつかいのエルジャン（絵本・原作モンゴル）

『イヌワシつかいのエルジャン』

モンゴルの最西部に暮らすカザフ族には、イヌワシを使って狩りをする伝統があり、1300 年の歴史がある。その「鷹匠文化」は、2016 年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されている。作者は現地に赴いて取材をし、雄大な大自然の中でイヌワシと心通わせながらイヌワシ使いになるための訓練をする少年エルジャンと、それを時には厳しく、時には優しく見守る父親の姿を描いた。イヌワシ使いになったことを祝う家族の様子から、伝統を守りぬく決意と、生きることへの真摯な向き合い方が伝わる。（神保）