なんにもおきない　まほうのいちにち（絵本・原作フランス）

『なんにもおきない　まほうのいちにち』

休暇のたび、ママとぼくは森の中の家で過ごす。パパはいない。机に向かって仕事に明け暮れるママのそばで、ぼくは毎日ゲームばかり。怒ったママに取り上げられたゲーム機をなんとか取り返すと、ぼくは憂鬱な気分で雨のなか外へ出かけるが、うっかりゲーム機を沼に落としてしまう。途方に暮れてふと周りに目を向けると、そこにはカタツムリの行列やたくさんのキノコが。土の感触、太陽の光、風のにおい……。主人公が自然を五感で感じ、心を解放させていく様子がみずみずしく描かれる。（笹岡）