きみが生きるいまのおはなし（絵本・原作カナダ）

『きみが生きるいまのおはなし』

時計やカレンダーの数字は、時刻や月日を教えてくれる。でも「時間」ってなんだろう?　目には見えない時の概念を、身近なものにたとえて感覚的にとらえる。種が花を咲かせて散っていくこと。クモが糸をつむぐこと。夕日が少しずつ沈むこと。髪が伸びること。早くなったり遅くなったり、ずっと続くかと思うと一瞬で消える。白黒にピンクを基調にしながら、カラフルな場面を効果的に挿入し、思考を揺さぶる展開がみごと。象徴的な絵と短い詩的な言葉で、多角的に考えさせながら、答えをせかさず、読後に余韻を残す。（広松）