わたしと あなたの ものがたり（絵本・原作アメリカ）

『わたしと あなたの ものがたり』

教室に茶色い肌の子どもは私ひとり。授業で奴隷制について学ぶと周囲の視線が集まり、消えてしまいたくなる。しかし奴隷だった祖先や、奴隷制廃止後も根強い人種差別により自由に学ぶことができなかった曽祖母や、なりたい職業につけなかった母親がたどってきた人生に思いをはせ、勉強することができるのをありがたいと思う。母親はそんな娘の気持ちに寄り添い、あなたはあなたらしく堂々としていて大丈夫だと力強く背中を押す。真っすぐ前を向く少女の姿に、自分で未来を開こうとする意志を感じる。（神保）