世界一すてきな夏（フランス・絵本・フランス語）

IBBYオナーリスト2022_イラストレーション作品

『世界一すてきな夏』

今は誰も住んでいない田舎の親の家で、幼い息子と母親が過ごしたひと夏の思い出が描かれる。鳥や虫に目を見はり、ブラックベリーを摘み、バスルームにはハサミムシが出て、ささやかだが、かけがえのない時間があたたかく流れていく。靴ひもを結べるようになるには時間がかかったが、子どもが成長して自分の居場所をこの世界で、家族や自然のなかで見つけるには、同じように時間がかかるだろう。だがともに過ごし、学んだ時間には、魔法がかかるのだ。その感性と言葉に胸打たれる永遠の絵本。

●画家について／ストラスブールの装飾美術大学卒業、リヨン在住。絵本や小説で文と絵に取り組むほか、広告やアニメ映画の監督としても活躍中。言葉と絵をごくシンプルに、繊細で茶目っ気ある表現で結びつけるユニークさで、子どもの本の世界を牽引している。「ビョルン：６匹のクマのお話」で2016 年モントルイユ児童書ブックフェア金塊賞受賞、「カウボーイのすてきなお話」では2020 年IBBY オナーリストに選出された。ほかに「おれ、オオカミ」（2017）、「パブロといす」（2015）、「ニノンによる恋」（2011）。