城下のドラゴン（クロアチア・読みもの・クロアチア語）

IBBYオナーリスト2022_文学作品

『城下のドラゴン』

クロアチア北部の町チャコヴェツにある中世の城、ズリンスキ城の下には、巨大なドラゴンが眠っているという言い伝えがある。その古い伝説をもとに書かれたのが本作だ。ある日、４人の子どもたちは、地下洞窟へと続く秘密の通路を発見する。洞窟には、ドラゴンの骨と卵があった。この発見後、子どもたちは、なぞの集団に追いかけられる。ドローン、コンピュータ、スマートフォンといった最新技術を駆使しながら敵と戦ううちに、４人の間に思いがけない友情が芽生える。子どもたちは、敵を倒し、卵を守り抜くことができるのか。ドラゴン、オオカミ男、魔女、神々などのスラヴ神話をモチーフに用い、民話の世界と現代の世界を融合させた作品。

●作家について／ 1967 年生まれ。ザグレブ大学にて英文学の修士号と博士号を取得した。現在、ザグレブ大学教師教育学部准教授。著書に小説「タイタニック号の賭け」（2006）、「危機に瀕した学校」（2021）など。本作は、2020 年にリトルプリンス賞児童書部門を受賞した。