へんだな、きみは自閉症に見えないよ（カナダ・読みもの）

IBBYバリアフリー図書2021_ポートレイト

『へんだな、きみは自閉症に見えないよ』

カナダのコメディアン、マイケル・マクレアリーは、自閉症を医学的に説明しようとしたわけでも、自閉症の人としての日々の思いを書こうとしたわけでもありません。このノンフィクションには、著者の身に起きた出来事や、自閉症に関する事実が織り込まれています。自閉症は著者が最もよく知っていることでした。たまたま自閉症スペクトラムだったひとりのコメディアンが、ジョークや笑いを交えて日常をつづったもの、それがこの本です。
　靴下をはくのをいやがったことや、高校時代のいじめとの闘いなどのエピソードの合間に、著者の自閉症のことが書かれています。特にやさしい言葉を選んではいませんが、短い文で、わかりやすく、具体的に、理解しやすいように配慮されています。読者に語りかけるスタイルで、明るく、大いに笑いを誘う文体が特徴的です。読者は楽しく読みながら、他の多くの人びととは異なる人生に対する、より深い理解と共感を胸に刻むことでしょう。