わたしは、フリーダ（カナダ・絵本）

IBBYバリアフリー図書2021_ポートレイト

『わたしは、フリーダ』

画家フリーダ・カーロの子ども時代を描いた絵本。彼女の将来を決めるきっかけとなった、芸術や創作をめぐる環境、その生涯の背景を伝えています。
　フリーダは子どもの頃、ポリオにかかり、歩くときに足を引きずるようになりました。学校ではいじめられることもありましたが、サッカー、木登り、自転車で遊ぶのが好きな、活発な少女でした。ところが18 歳で大事故に巻きこまれ、3 か月間ベッドを離れられないまま過ごします。その後も後遺症の痛みに悩まされ、それを紛らわすために、本格的に絵を描き始めました。
　そんなフリーダの不屈の精神と、画家としての成長が、あざやかな絵と詩的なストーリーで描かれています。何かを失ったときにどう立ち向かい、自分の能力を向上させるのか。周囲の理解を得て、自己を表現する新しい道を見つけるのか。家族同士や、読書会などで話し合うことをおすすめします。フリーダの作品が中南米先住民の文化に根ざしていることも話のポイントになるでしょう。