白い蝶の柄の傘（イラン・絵本・ペルシャ語）

IBBYオナーリスト2020_イラストレーション作品

『白い蝶の柄の傘』

新年（ノウルーズ）まであと２時間。車で混雑する通り、人びとは、新年飾り（ハフトスィーン）のための金魚を手に行き交う。だれもが今年最後の用事を済ませようとしている。アルダラーンは散髪をしてもらいたい。アトゥーサーは、新しい服を受け取ろうと仕立て屋のドアベルを鳴らす。花屋の息子と娘は、人混みを避けて裏道に入り、新年のお祝いに間に合うよう家路を急ぐ。テキストと独創的なイラストレーションが一体となって、現代テヘランのリアルなイメージを浮かび上がらせている。

＊画家について　1980年テヘラン生まれ。テヘランの美術大学で絵画の学位を取得。子ども向けの絵本など42冊を超える本を出版しており、自ら文章を手がけた作品もある。ベオグラード・イラストレーション・ビエンナーレ金のペン賞をはじめ、さまざまな国際的な賞を受賞。本作は、IBBYイラン支部のオナーブックに選出され、また空飛ぶ亀賞、シーラーゼ・ブックデザイン賞などを受賞している。2019年ブラチスラバ世界絵本原画展にも出品した。