カウボーイのすてきなお話（フランス・絵本・フランス語）

IBBYオナーリスト2020_イラストレーション作品

『カウボーイのすてきなお話』

いわゆるポリティカリー・コレクトや既成の物語を、ユーモラスに茶化した絵本。「これはカウボーイのお話です。でもカウボーイは怖いから、かわりにおサルの話をします。銃は危ないから、かわりにバナナを描きます」と始まる。左のページでは、乱暴な言葉づかいで、子ウサギを食べ、銀行強盗をする恐ろしいカウボーイが文字だけで語られる。絵にして見せるのははばかられるから、右ページには子ザルが登場して、歯を磨いたり、エアロビクスをしたりする。左右の話が絶妙に呼応して、あらゆる年齢層の読者が楽しめる。

＊画家について　ストラスブールの装飾美術大学卒業、リヨン在住。絵本や小説で文と絵に取り組む他、アニメ映画の監督としても活躍し、数々の展覧会に参加。言葉と絵をごくシンプルに、繊細で茶目っ気ある表現で結びつけるユニークさで、子どもの本の世界を牽引している。「ビョルン：六匹のクマのお話」で2016年モントルイユ児童書ブックフェア金塊賞受賞。他に「エクトールおじさん」（2005）、「ニノンによる愛」（2011）、「パブロといす」（2015）など。