ピキニニ（チリ・絵本・スペイン語）

IBBYオナーリスト2020_イラストレーション作品

『ピキニニ』

クレメンティナ・フィドレの証言に基づくグラフィックノベル。フィドレは、1894年に18歳でチリ南部の町プンタ・アレナスにやってきた。そこで、地主が先住民族セルクナムに対して暴力をふるうところを目撃する。墨と水彩で描かれた絵は、温かく、親しみを感じさせる。寒色と、暴力を示唆する赤とのコントラストが印象的。

＊画家について　1977年、スペインのジローナ生まれ。フランスに住み、1992年にサンティアゴに移り、チリ・カトリック大学でデザインを学ぶ。水彩、グワッシュ、墨などの画材を使用。力強い色とパワフルな筆遣いを特徴とし、30点以上の児童書の絵を手がけてきた。文も書いた「どくろの少女 マプチェ人のむかし話」（2004）は2006年IBBYオナーリストに選出された。「千年生きた巨人、カラマツ」（2011）で2012年ハチドリメダルを受賞。2015年にはナミコンクールに入賞。「窓辺の10羽の鳥」（2017）でクアトロガトス賞、アムステル・コレ賞等を受賞。