メイの物語 小さなレディ（イタリア・読みもの・イタリア語）

IBBYオナーリスト2020_文学作品

『メイの物語　小さなレディ』

理想のコミュニティをつくるため、メイの一家はコンコードの町からパラダイスに引っ越した。そこでは肉を食べず、着るものはシンプルな麻の服だけだった。メイは、きらきら光るウォルデン湖で泳いだり、木に登って遊んだりすることができたが、メイがこの新しい生活を選んだわけではなかった。窮屈すぎる現実を受け入れる唯一の方法は、友だちのマーサに宛てた手紙に、自分で脚色したパラダイスでの暮らしを綴ることだった。ルイーザ・メイ・オルコットと、彼女の作品『若草物語』をたどりながら、19世紀のアメリカを舞台に、ユートピアの多面的な魅力を描く。

＊作家について　ミラノ出身。散文と詩の翻訳家、作家、2015年からボンピアーニ社で編集長を務める。彼女の児童書やYA小説は、20カ国以上の言語に翻訳されている。また、J.K.ローリング「ハリーポッター」シリーズのイタリア語への翻訳も手がけた。多数の受賞歴があり、「森のなかのこどもたち」（2010）で2010年のストレーガ賞のファイナリストに選ばれた。また、作家、翻訳家として、イタリアのアンデルセン賞を５回受賞している。