【JBBY希望プロジェクト】野馬追文庫4月の本


<お届けした本>

『こぶたのブルトン はるはおはなみ』中川ひろたか 著 アリス館
 送り先:聖愛こども園/かわうち保育所/ちゅうりっぷ文庫/障害児支援施設かのん

『どうぶつどんどん』たしろちさと 文・絵 大日本図書
 送り先:保健センター/障害児施設かのん/37カフェ

『うごきのえほん』田島信元 監修 山崎秀昭 絵 ひかりのくに
 送り先: 障害児施設かのん

『ちいさいおうち』バージニア・リー・バートン 作 石井桃子 訳 岩波書店
 送り先:ちゅうりっぷ文庫
            

<いただいた声>

★ じゅにあサポート「かのん」新妻直恵 さんより

今月も素敵な絵本を有難うございます。またいつも心癒される素敵なお手紙を沼生様からいただき、感謝申し上げます。
 『こぶたのブルトン はるはおはなみ』私は、たかさきさんのお弁当の食材がクイズみたいで気になり、楽しく読ませていただきました。卵焼きや空揚げの代用食材も予想外でしたが、ビールには尚更びっくり! 子どもたちも同じところで笑いながら読んでおりましたのでこれまたびっくりでした。
 『うごきのえほん』は、本屋さんで目にしたことがあってとっても気になっていた本でしたので、今回頂戴し嬉しく思っております。
 南相馬の夜ノ森公園の桜も満開で、今日の雨で散ってしまうのではないかとハラハラドキドキ。一昨日お花見に言ったお子さんのお土産に、春をもらいましたので幸せのおすそ分けをさせていただきますね。(ここに桜の写真が入っていました)
 寒暖の差が激しい新年度を迎えておりますが、どうぞ皆様におかれましてもお体をご自愛くださいませ。

★ 原町保健センター、南相馬市健康づくり課 相良明子 さんより

新年度が始まりました。あわただしい日々をお送りのことと思います。
 健康づくり課でも人事異動がありまして、前任の大石さんは(攪上注 野馬追文庫で本を送り始めた2011年8月最初に受け取りの窓口になってくださった方です)、健康づくり課の課長さんになりました。そして、今は、私の真ん前の席に移動になりました。とっても心強いです。
 今月も絵本をお送りいただきましてありがとうございました。絵本の最後にあるここにいてくれてありがとうの言葉が心に残りました。
 桜は満開になってきました。次の土日は、お花見日和になることを期待してます。
 時節柄、体調を崩しやすい時ですので、ご自愛ください。

★ 今月でちゅうりっぷ文庫への本の送付は終了します。(ご本人からのご希望)来月からは、お手紙を毎月11日送らせていただきます。

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今月送った本について、野馬追文庫の選書メンバーのなかで、以下のようなやりとりがありました。

(1)『こぶたのブルトン はるはおはなみ』について

 最後の方で、シャボン玉液を飲んでシャボン玉をするシーンが気になるという指摘がありました。子どもの年齢にもよりますが、「ええ、飲んじゃうなんてへん」と気がついてくれるといいなと思い、子どもたちをサポートしてくださいと、言葉を添えてお届けしました。

Kさんからは以下のような声をいただきました。
――しゃほんだまは、子どもたちは、飲んではいけないよと気付くはずです。そうでなければ、しゃほんだまは、みんなはどうして遊ぶの? と、最後に尋ねてみるのもよいかと思います。

聖愛こども園からいただいたはがきにも感想がありました。
聖愛のお友だち、いつも野馬追文庫の本を楽しんでくれてありがとう!


(2)ちゅうりっぷ文庫にお送りした『ちいさいおうち』をめぐって

・原発事故によって、自然豊かな環境や生活(家)から引き離された人たちには、つらい本になるかもしれない。(一方)うまく言えませんが、震災から8年が経ったこの時期だからこそ、『ちいさいおうち』を伝える意味があるのではないか、という気もしているのです。今でもたいへんな苦労をされている方々がいる一方、震災の時のことを忘れて生活している人たちもいます。忘れずに、前を向いて歩いている人たちもいます。

・『ちいさいおうち』は、しばらくは送付がためらわれ、野馬追文庫でもこれまで送ってこなかった本です。人にはそれぞれのヒストリーがあって、震災や共通のストレスや悲しみのベースに、そのヒストリーが重なって、ひとりひとりにとって違った悲しみや苦しみになりますね。本から受ける「何か」も、すごく個別的、ひとりひとり違うんだと思います。それでも、どんな人にもどんな状況でも力になる笑いや、明るい気持ちになれる本を届けたいと思ってきたのが野馬追文庫だったかもしれません。実際にそうできたのかは、わかりません・・

・いろいろとご意見はあると思いますが、松岡享子先生の以下のことばを思い出しました。「読者と関係なくはじめからよい本があるのではなく、ひとりの読者がある本に出会って、それがなんらかのよい結果を生んだとき、その本は、その人にとって、”よい本”になる」 だから、大人が先回りしていろいろ考えるより、子どもの良心にまかせて判断してもらう、わたしたちはその機会を提供しているだけなのではないかと最近考えています。以前は私も「子どもたちには絶対に良い本を届けなければ!」と頑なに思っていたところがありますが(もちろん根本はそうですが)、今は、大人はもっと謙虚でいなければならないと感じています。子どもたちはその感性の琴線に触れる本を見ると、本当の意味で目を輝かせます。
 その子の背景にあるものとぴったりの本が提供されれば、子どもは自然に本が好きになるんですよね。そのあたりまえのことが、現代はなかなかできない。大人も子どもも別のほうを向いている。本を介して、というより同じ本を大人と子どもが向く時間があれば、現代の様々な問題の大半は解決するのではないかと思ってしまします。
 『ちいさいおうち』は、私はどんな時代でも状況でも受け入れられるいい本だと思いますけどね。あとは、受け取る子どもたちの心を信じてあげてください。

・受け取ってくださったKさんから
――『ちいさいおうち』は、5月から、一般社団法人ちゅうりっぷ文庫として、障害児やご家族の交流の場(孫5歳幼稚園 障害児、世田谷区在住)と、移動文庫ちゅうりっぷ号(野馬追文庫から届いた絵本や紙芝居、布絵本など)を始めたばかりの私にぴったりの絵本でした。私の人生をふり返り、喜怒哀楽が文章から垣間見られ、絵の美しさに癒やされ、今後の私を後押ししてくれた絵本になりました。絵本は、私の宝物です。震災後8年目、私は、いろんな絵本をこれからも、親子読書会で赤ちゃんから大人まで一緒によみあいや読み聞かせを続けます。後は聞いた方々の受けとめ方は人それぞれ違って良いのではないでしょか?

文責:撹上久子(野馬追文庫)